ぬくもりに触れたくて。
「そろそろ行かなきゃ。
時間が来たみたい。」

体に残したい

あなたの温もり。

「まろん、永遠の愛を君に_。」

左手薬指に光る指輪。

「陸登、キスして?」

「うん、目、瞑って?」

ゆっくり、あなたの息遣いが聞こえる。

触れる温もりと
頬を伝う涙。

最後のキスは少しだけしょっぱい。

「笑っていてね。
私の大好きな陸登の笑顔で。」

最高の笑顔であなたを見つめる。

「まろんも、ずっと見守っててね?俺のこと。」

「うん、ずっと見てるよ。」

また、陸登が笑ってくれた。

綺麗な目を細めて。

最後にもう一度だけ


ー愛してるー

そう呟いて

私はあなたから離れた。

温もりを抱きしめて

光と一緒に空へ。


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