白波リズム
秋の日だまりがぽかぽかして気持ち良い。


流れが速い雲をぼーっと眺めていた。



「沙羅?」


振り返ると、仲良しメンバーの1人のノリがいた。


「あっ、ノリじゃん!!ノリこそ、何してるのー?」


「俺は待ち合わせ。」


「へー、洋とか?」


「違うよ、沙羅の知らない人。」

そう言って、ノリは顔を赤らめた。



「うそっ!!もしかしてデート!?」


「ちょっ、お前声デカい!!」


ノリが慌てて私の口を塞ぐ。


「ごめん…って。でもデートなんでしょ?」



「…まぁ、そんなもんだよ。」


ノリが髪をくしゃくしゃにしながら照れ臭そうにした。



「…そっかぁ。ノリがデートかぁー。」


「お前ニヤニヤしすぎ!!」


「ごめんごめん。上手くいくといいね。」



「それより、お前は何してんの?」


「私も待ち合わせ。まぁ、残念ながらノリみたいにデートじゃないけどねー。」


「うるせぇよ!!じゃあ、俺そろそろ行くわ。」


ノリが時計に目を向けながら言った。


「…うん、ばいばい。」
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