白波リズム
「ごめんー!!遅れちゃった!!」


待ち合わせの相手、高校時代の友達の美咲が小走りでやってきた。



「もうー遅いよー!!」


「本当ごめんねー。」


「うそ。冗談だって!!」

そう言ってケラケラと笑った。




「…沙羅何かあった…?」



「…え…?別に何もないけど?」



「そっか、気のせいか。何だか沙羅泣きそうな顔してるなーって思って。」



「私が!?ないない!!何もないよー!!」



「…本当?」



「…強いていうなら、男友達が彼女作りやがってムカつくなーって思ったぐらいだよ。私に何の相談もなくさー。」



「!?沙羅、ごめん!!変な事聞いちゃって!!」



美咲がそう言って、優しく私の頭をギュッとしたもんだから、そこで初めて自分が泣いている事に気づいた。



「あれ…?何で私泣いているだろー。おかしいなー。」


泣くつもりなんてないのに、悲しい事なんて何一つないはずなのに、涙が止まらなかった。



こんな人前で泣くなんて恥ずかしいのに、私は涙の止め方が解らずにいた。
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