白波リズム
あれから私は体の水分を出しきるんじゃないかってくらい、静かにまつげを濡らした。


その間、美咲は何も言わず、私の側に居てくれた。





やっと落ち着いてから、美咲の提案で近くのカフェに行く事にした。



「ごめんね…。本当は今日映画観に行くはずだったのに…。」



「気にしないの。それよりここ、ケーキが超おいしいらしいよ!!食べよー!!」


私に気を使ってくれてか、美咲はいつもより明るく振る舞ってくれた。



「本当ありがとう。」



「え、何がー?私が食べたいって言って来たんだから、気にしないでって言ったでしょ。
何にしよー!!全部おいしそうで迷っちゃうなぁ。」


「いっそ、全部食べちゃう!?」


ニヤリと笑う。



「食べちゃいますか!!」

美咲もニヤリと笑う。






注文を終え、先にドリンクが運ばれてきた。



「じゃあ、まずカンパイしよー。」


「おう!!」


「「カンパーイ!!」」


グラスをカシャンと軽くぶつけ、勢いよく飲み干した。



カラカラに渇いたカラダが、美咲の優しさと共に染み渡って、ゆっくりと潤っていくようだった。
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