極道恋愛法
王子は話している途中、本当の笑顔を何度も見せてくれた。



なんだか心の奥のほうが暖かくなって、くすぐったかった。



六時間目の終了を知らせるチャイムが、教室中に響いた。




「っじゃ、竜に怒られるといけないから。」



「怒られる??」



「うん、君のこと相当気に入ってるみたいだから。」



気に入ってる??


美形男子が私を??




王子はそのまま屋上を出ようとした。



このまま別れたら、もう話せないかもしれない。



「あ、あの!!」



私の声に振り返った王子がそこには居た。



王子に駆け寄る私。



「メアド…教えてもらえませんか??」



私の精一杯の勇気に、うん、と一言だけ言って携帯を取り出す仕草にキュンとした。



赤外線を使ってあっという間にメアド交換は終了。



何事もなかったように教室に戻った。


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