愛しー時に抗うもの達ー
夜まではまだまだ長い。



屯所の中は、誰一人として居なかった。


静かな時が流れていた。


土方さんの部屋の障子を開け放ち、その前の廊下の縁側に座り夕方の心地よい風を楽しんでいた。




チリリン




風鈴の音が耳をくすぐる。
風鈴の音を聞きながら自然に歌を口ずさんでいた。


私は
純粋でいられれば
それ以上必要ないよ

純粋では居られない
この汚い世界に

生きている

逢えたんだ、君に…
それこそが奇跡だと思うんだよ。


逢いたいよ
君に。




現代で好きだった歌
そうだ、純粋で居たかったんだ。


私は。


海に言いたいよ。
今、私は幸せなんだ



現代では感じられない想いがあるんだ。


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