愛しー時に抗うもの達ー
「うん…、行ってくる。」
まだ落ち込んだままの藤堂さんの後ろ姿を見送り、残った洗濯物を取り込みに向かった。
















局長室にお茶を持って来い。と庭に訪れた土方に言われ、ただ今局長室に来たが






近藤さんに
「話があるんだが…」

と重苦しい雰囲気で言われ、背筋が伸びた。




「非常に申し訳ないんだが…



隊士が増えたために開いた部屋がなくなったんだよ。


そこで、君だけを一人部屋にする訳にもいかず…





隊長格の部屋と相部屋にしようかと思ったんだが…」


スパーン
勢いよく鈴の後ろの障子が勢いよく開いた。

「ちょいとお待ちぃ」





そこには、











「千代婆!?」
土方さんが叫んだ。


この新撰組にいつも出入りしている薬屋のおばあちゃんだ。

千代婆には、いつも世話になり近藤さんでさえ頭があがらない。


凄腕の薬屋だ。
一人で薬屋を営んでいる。現代では薬剤師になるために勉強をしていた鈴。知識のある鈴はよく千代婆の手伝いをしていた。



「話は聞かせてもらったよ…年頃の女の子を男所帯に置いておくことさえ心配なのに、





ましてや一緒の部屋なんて…







言語道断!」


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