愛しー時に抗うもの達ー
家に着き、別れ際

この別れが最期かも
しれない。


そんな世界。



彼の大きな背中を、
目に焼き付ける。


一瞬を生きる彼等は
とても眩しかった。




「戸締まりしろよ!」



お母さんかッ!



「はいはい、ありがとね土方さん。」



「あぁ…じゃーな。」








彼を見えなくなるまで見送った。



夏の終わりとは言えど、
夕方の外の風は冷えた―。





ガラッ―
「ただいまッ!ばあちゃん」


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