心の距離
真っ赤な顔をしながら僕の顔を見上げる江川さんに、冷たく言い放つように告げた。
「大体、名前も知らない男に携帯の番号渡すなんて軽過ぎるよ。俺の事、何も知らないのに番号渡すとか、マジで有り得ないから」
「…神田さんなら受け取りますか?」
突然、ことみちゃんの事を言われ、息が詰まり、体が固まった。
「あたし知ってるんです。ずっと、貴方が神田さんの事を見てたのも、神田さんが休みの日に来ないのも全部知ってるんです。…何で神田さんなんですか?あたし、ずっと見てたのに…何で自分を見てくれない人なんですか?」
マシンガンのように放たれる質問に、ため息をつきながら小さく答えた。
「…見てくれ無いからかな?夢の中ではずっと見てくれるのに、現実では全然見てくれ無い」
「…夢?」
「笑いたきゃ笑えよ。受け取らない事には変わらない」
江川さんの涙に目も向けず、ただ冷たく言い放つと、背後からことみちゃんの声が聞こえた。
「ひろちゃん?ど…どうしたの?」
慌てて江川さんに駆け寄ることみちゃん。
「ちょ!ひろちゃん!」
ことみちゃんから逃げ出すように、江川さんは駅に向かって行った。
「大体、名前も知らない男に携帯の番号渡すなんて軽過ぎるよ。俺の事、何も知らないのに番号渡すとか、マジで有り得ないから」
「…神田さんなら受け取りますか?」
突然、ことみちゃんの事を言われ、息が詰まり、体が固まった。
「あたし知ってるんです。ずっと、貴方が神田さんの事を見てたのも、神田さんが休みの日に来ないのも全部知ってるんです。…何で神田さんなんですか?あたし、ずっと見てたのに…何で自分を見てくれない人なんですか?」
マシンガンのように放たれる質問に、ため息をつきながら小さく答えた。
「…見てくれ無いからかな?夢の中ではずっと見てくれるのに、現実では全然見てくれ無い」
「…夢?」
「笑いたきゃ笑えよ。受け取らない事には変わらない」
江川さんの涙に目も向けず、ただ冷たく言い放つと、背後からことみちゃんの声が聞こえた。
「ひろちゃん?ど…どうしたの?」
慌てて江川さんに駆け寄ることみちゃん。
「ちょ!ひろちゃん!」
ことみちゃんから逃げ出すように、江川さんは駅に向かって行った。