心の距離
協力
気分が晴れないまま、新しい月を迎え、会社に向かった。
今日からはじまる新しい班と新しい現場。
こんな気分のまま、彼女と顔を合わせるのは凄く辛い。
前の現場は遠かったけど、新しい現場は歩いても行ける距離。
毎朝毎晩、嫌でも彼女と顔を合わせなきゃいけない現実。
仕事を終え、報告書を提出しに事務所に入ると、事務所の中にはことみちゃんただ一人。
恐る恐る彼女に歩み寄っても、彼女はパソコンから視線を外す事は無かった。
「報告書…」
「置いておいて下さい」
「…機嫌悪いですね」
「放っておいて下さい」
「…どうしたんすか?そんなにキスされた事が気に入らないんすか?」
「ひろちゃんに聞きました。本当は付き合ってるそうですね。ひろちゃんの代わりにしないで下さい」
「…あの子の嘘を信じるのかよ?」
「そりゃそうですよ。付き合いの長さが違い過ぎますし、大島さんも同じ事話してましたし。ひろちゃん、みんなに話し歩いてるみたいですよ?」
何も言い返す事が出来ず、拳を強く握り締めた。
今すぐに好きだと言っても、絶対に信用して貰えない。
張り詰めた空気の中、好きだと切り出せる程、図太い神経を持ち合わても無い。
今日からはじまる新しい班と新しい現場。
こんな気分のまま、彼女と顔を合わせるのは凄く辛い。
前の現場は遠かったけど、新しい現場は歩いても行ける距離。
毎朝毎晩、嫌でも彼女と顔を合わせなきゃいけない現実。
仕事を終え、報告書を提出しに事務所に入ると、事務所の中にはことみちゃんただ一人。
恐る恐る彼女に歩み寄っても、彼女はパソコンから視線を外す事は無かった。
「報告書…」
「置いておいて下さい」
「…機嫌悪いですね」
「放っておいて下さい」
「…どうしたんすか?そんなにキスされた事が気に入らないんすか?」
「ひろちゃんに聞きました。本当は付き合ってるそうですね。ひろちゃんの代わりにしないで下さい」
「…あの子の嘘を信じるのかよ?」
「そりゃそうですよ。付き合いの長さが違い過ぎますし、大島さんも同じ事話してましたし。ひろちゃん、みんなに話し歩いてるみたいですよ?」
何も言い返す事が出来ず、拳を強く握り締めた。
今すぐに好きだと言っても、絶対に信用して貰えない。
張り詰めた空気の中、好きだと切り出せる程、図太い神経を持ち合わても無い。