COL'【桃】ひ・み・つ☆桃色恋 †with響紀様†
 「瞳子もいよいよ乙女になったのね」

 「いよいよって……」

 あたしは生まれた時から乙女です。

 「で、相手はどんな人?」

 ポテトをつまみながら美鈴は質問を続けてくる。

 今、学校帰りのハンバーガーショップでおやつタイムをしながら、美鈴に告白中

 「すごくカッコイイの。知的で優しくて……」

 「私も見てみたいなぁ」

 美鈴、略毎日会っているよ。

 なんて、声に出して言えないから、曖昧に笑うだけ。

 「もちろん告白するんでしょ?」

 「分からないわ」

 まだ、そこまで覚悟は決めていないもの。

 心愛さんにだって負けない気持ちはあるけど、太刀打ち出来ないのも事実なのよね。

 「伝えなくちゃ伝わらないよ」

 「う、うん」

 そうなんだけど……。

 それが出来ないから悩んでいるのに。

 これが普通の恋なら迷う事なく話を出来るのにね。

 この学校は女子高。

 男性を学校の中で狙うなら教師だけだもね。

 先生との恋も先輩との恋も、どっちも秘密恋にしかならないね。
 
 普通の恋って、なんだっけ?

 人が人を好きになるのは自然よね。

 この環境で先輩を好きになったのは普通。

 あたし、間違っていないよね?

 コーラを飲みながら考えていた。




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