COL'【桃】ひ・み・つ☆桃色恋 †with響紀様†
<side 椿>

  ドサドサドサドサ……。

 下駄箱をあけると彩り豊かな封筒が雪崩れ落ちてくる。

 ……はぁ。

 「相変わらず凄い人気ね」

 「そのようね」

 落ちてきた手紙を一枚ずつ拾いながら答える。

 知らない女の子たちの名前がずらり。

 「ありがとう」

 最後の一枚を心愛が手渡してきた封筒に釘付けになった。

 瞳子ちゃん?

 「椿、まさか貴女の好きな人って彼女ではないわよね?」

 「え、えぇ」

 「そうよね、貴女に釣り合うのはこの私だけ」

 「心愛、貴女の気持ちは嬉しいけど、私は貴女に答えられないわ」

 「いいの、こうして側にいるだけで」

 彼女への想いは誰にも言っていないけれど、心愛には解っちゃったのかしら?

 幼馴染だものね。

 初めは楽しい生活が送れる。

 それだけの想いだったんだけど、最近彼女の後ろ姿を追い続けている自分がいる。

 私から仕掛けてしまったんだもの。
 
 避けられているのは解っている。

 だけど、毎日一緒の時を過ごす事が多くなるにつれて、彼女に、瞳子ちゃんに振り向いてもらいたいって想いが強くなるの。

 可笑しいかしら?

 そんな時にこの手紙でしょ?

 一瞬だって動揺するわ。

 

 










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