COL'【桃】ひ・み・つ☆桃色恋 †with響紀様†
<side 瞳子>
あたしは心愛さんと肩を並べて座っている。
とても穏やかな空気とはいえない。
まるでガラスで出来た蕀(いばら)があたしたちの周りを取り囲んでいるようだわ。
でも、先ずは心愛さんにキチンと伝えなくちゃね。
逃げていてもはじまらないもの。
ワンピースの上で手の拳を力一杯握り締め、気合いを入れた。
「心愛さん」
「あ、あのね」
彼女との言葉が同じ振動で空に舞った。
「桃園さんからどうぞ」
ハモっただけでアタフタしてしまうあたしとは違って、余裕綽々の心愛さんを見るとやっぱり敵わないと思う。
「心愛さん、ごめんなさい」
「えっ!?」
「あたし、心愛さんを応援するって言ったのに。あたし――」
「言わないで」
「えっ!?」
あたしから話し出していいと言っていたのに言葉を制されてしまった。
彼女は空の向こうに視線を投げ、ゆっくり話し出した。
心愛さんは本当の気持ちを幾度も椿さんにぶつけたが想いが届かなかったこと。
椿さんに今好きな人がいること。
それは、すごく近い距離で生活をしている。
「両想いには敵わないもの、私は身を引くわ」
「両想い?」
そうよね。
あんなに素敵な方だもの。
彼氏の一人や二人いるのが当たり前よね。
あたし、一人で盛り上がって……バカみたい。
本人に告白する前に失恋するなんて、思わなかったわ。
人はモロイものなのね。
幾粒もの滴が頬を伝っている。
もうレールの先は行き止まりだって分かっている。
「貴方がどのラインに立つのかは自由よ。後悔のないようにだけしなさいね」
「後悔のないように……」
「そうよ。私が言いたいのはそれだけ。さ、みんなのところに合流しましょう」
心愛さんはどうしてそんな事を私に?
だけど、あたしだって心愛さんと同じラインに立ちたいよ。
伝えるだけならいいわよね?
彼女の後ろを歩きながら一つの決意をした。
あたしは心愛さんと肩を並べて座っている。
とても穏やかな空気とはいえない。
まるでガラスで出来た蕀(いばら)があたしたちの周りを取り囲んでいるようだわ。
でも、先ずは心愛さんにキチンと伝えなくちゃね。
逃げていてもはじまらないもの。
ワンピースの上で手の拳を力一杯握り締め、気合いを入れた。
「心愛さん」
「あ、あのね」
彼女との言葉が同じ振動で空に舞った。
「桃園さんからどうぞ」
ハモっただけでアタフタしてしまうあたしとは違って、余裕綽々の心愛さんを見るとやっぱり敵わないと思う。
「心愛さん、ごめんなさい」
「えっ!?」
「あたし、心愛さんを応援するって言ったのに。あたし――」
「言わないで」
「えっ!?」
あたしから話し出していいと言っていたのに言葉を制されてしまった。
彼女は空の向こうに視線を投げ、ゆっくり話し出した。
心愛さんは本当の気持ちを幾度も椿さんにぶつけたが想いが届かなかったこと。
椿さんに今好きな人がいること。
それは、すごく近い距離で生活をしている。
「両想いには敵わないもの、私は身を引くわ」
「両想い?」
そうよね。
あんなに素敵な方だもの。
彼氏の一人や二人いるのが当たり前よね。
あたし、一人で盛り上がって……バカみたい。
本人に告白する前に失恋するなんて、思わなかったわ。
人はモロイものなのね。
幾粒もの滴が頬を伝っている。
もうレールの先は行き止まりだって分かっている。
「貴方がどのラインに立つのかは自由よ。後悔のないようにだけしなさいね」
「後悔のないように……」
「そうよ。私が言いたいのはそれだけ。さ、みんなのところに合流しましょう」
心愛さんはどうしてそんな事を私に?
だけど、あたしだって心愛さんと同じラインに立ちたいよ。
伝えるだけならいいわよね?
彼女の後ろを歩きながら一つの決意をした。