COL'【桃】ひ・み・つ☆桃色恋 †with響紀様†

☆ ひ・み・つ ☆

<side 瞳子>

 それから数日は、まだ慣れない生徒会室と教室を行ったり来たりの毎日。

 クラスのみんなからは羨ましがられている。

 椿さんと心愛さんはみんなの憧れのマドンナNO'1とNO'2なの。

 美人で聡明な会長の椿さん。

 そして副会長だけでも忙しいのにテニス部部長を兼任している運動神経抜群の心愛さんの二人だもの。

 みんなは、彼女の実態を知らないからよ。

 私も椿さんにあんな事されなければ、憧れていたけどね。

 今は憧れというようり会うたびに何をされるか分からないという変なドキドキの毎日。

 だって、約束書の二枚目にあんな文が書いてあったら気になるでしょ?

 実際のところは、あの日以来何もないんだけどね。

 心愛さんは、そういった事は見られないけど、いつも彼女からの痛い視線を感じているの。

 何かあるなら言ってくれればいいのに、遠巻きから伺うだけ。

 色々と忙しい人だから、あまり気にしないようにしているけど本当は凄く気にしているの。

 嗚呼、乙女は悩みが尽きないものね。

 同じ活動をしている美鈴にすら告白できないよ。

 彼女がそんなこと知ってしまったら、きっと生徒会の手伝いを辞めたいって言うかもしれない。

 だから、あたしだけの秘密。
 
 ……はぁ。

 「何か悩み事?」

 「えっ!? そんな事ないよ。もう元気いっぱいだよ♪ ほら、この通り」

 「そう?」

 いけない、いけない。

 美鈴に心配かけちゃうところだった。

 「桃園さんはいらっしゃるかしら?」

 うわぁっ、噂をすれば心愛さん。

 「心愛さん、どうしたんですか? 今日は活動日ではないですよね?」

 「貴女と少しお話がしたくてね」

 忙しい中教室に態々来るって。

 あっ、やっぱりあの痛い視線は気のせいなんかじゃなかったのかな?

 あたし、心愛さんの心を害する事した?

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