幼なじみセンチメートル
「美月、あなたはお風呂に入ってきなさい。風邪ひくわよ」

「はーい」

「祈も美月ちゃんと一緒に入ったら?」



祭ちゃんの言葉に少し間を開けてイノリは赤くなった。



「何言ってんだ!バカか!!」



そんなに真っ赤になって怒らなくてもいいのに。


よく一緒にお風呂入ってたじゃん…って、いつの話だよって感じだよね。




「一緒に入る?」

「入るか!!大バカチビ助!」

「入りたいクセに。大アホデカ助!」



頭を拭いていたタオルを引っ張り合いながら騒いでいると、お母さんと祭ちゃんの視線を感じた。



何とも微笑ましそうな眼差し。



「でも本当に美月はいい加減、祈くん離れしないとダメよ」


「おばさん。キヨの面倒見るの、俺が好きでやってる事ですから」



イノリはお母さんにタオルを返すと、祭ちゃんを連れて帰って行った。




「私が祈くんに惚れちゃいそう」



40過ぎのおばさんが何言ってんだか。




でも今のはドキッとしたぞ。

イノリは心臓に悪い。
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