幼なじみセンチメートル
「と言っても、田舎だから出会いなんてそうないよね」


「田舎じゃないわ。ド田舎よ」



午前中で一学期の学校も終わり、家に帰ってからお向かいさんのカンナの家で話し込んでいた。



秀才で大人びてて、クールビューティーなカンナだけど

部屋には沢山、アイドルのポスターを貼っている。




そんな所は普通の可愛い女子高生だなぁ。






「夏休み、キヨはボランティアで施設行くんでしょ?施設の先生で素敵な人いるかもよ」



そう。


結局お母さんのあの話を呑み、泊まり込みで養護施設のボランティアに参加する事にしたんだよね。




「先生かぁ。確かに私みたいな甘ったれは年上の方が合ってるかも」


「なんてね。キヨにはイノリが合ってるわ。何よりキヨを甘ったれにさせたのはイノリだからね」


「だよね。イノリが何だかんだ甘やかすから、こんな性格になっちゃったんだよね」



泣けば優しくしてくれて

寂しい時は飛んできてくれる。



イノリがどんな時も
そばにいてくれちゃうから


私は、甘えを知ってしまった。





「責任取ってよって感じだよね」


「そうね」




壁に張り付いて胡散臭い笑みを浮かべているアイドルを睨みつけた。
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