幼なじみセンチメートル
「本当になぁ…勘違いのトキメキでもいいから、他に好きな人出来たらいいのに」



ふと、先程の話を思い出した。




片思いは片思いでも

見込みのない恋と
可能性のある恋とでは


辛さが全然違うと思う。





それに気付いている私は

イノリの事は大好きだけど本当は何処かで、もう



イノリを諦めているのかもしれない…。






「………大丈夫。今はまだ子供だから気付かないだけで、イノリはいつか必ずキヨの大切さに気付くよ」


「それって、いつ?」


「………うん」




うんって。

無責任だな。





でも、カゼなりの優しさなんだよね。


ありがとう。




「………!何か来る」

「えっ!?何っ!?何かって…」



突然、何かの気配を感じたらしいカゼは辺りを見渡し始める。




「………肝試しとかやると、本物を呼び寄せるっていうよね」


「やっ…やめてよ、カゼ!!」



ひぃっ…!


本当に何かの物音が聞こえてきたっ!!




「ひっ…!魂取られる―!!闇に引きずり込まれる―!!呪い殺されるー!!チップ埋め込まれちゃうぅぅ―!!」


「………キヨ、それは宇宙人だ」




カゼはフッと笑うと、ソッと手を握ってくれた。




少しだけ安心したのも束の間、ズリズリと何かを引きずっているような音が近付いてきた。




「………あ。」

「え?」



いきなりカゼに引っ張られ、草むらから飛び出した。




「何!?どうしたの!?」


「………お化け捕まえよう。新聞に載れるかもしれない」



はっ!?


何を思いついたかと思ったら…




幽霊捕まえたからって記事になるワケないじゃん!





てか、幽霊って掴めるの!?
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