幼なじみセンチメートル
「ンな必要のねぇもんを勝手に作りやがって」


「必要のない?」


「俺とお前が結婚なんかするかって言ったんだよ」


「わかんないよ?」


「いいや、ありえねぇ」




人生なんて何があるか分からないじゃん。




0%のことなんて

何ひとつとしてない。






それでも、イノリの中で私が恋愛対象になる確率は



昔も今も、これからも…



ゼロなんだね。






「………じゃあカゼ&キヨのラブメモリー写真集に変えて貰おう」


「うわっ!カゼ!?」




何の気配もなく、ノソッと現れたカゼ。






「………俺がキヨと結婚するよ」


「バカ言うな。キヨの面倒を一生見るなんて、カゼには無理だ」




…私といるって、そんなに大変?





「カゼ、部活終わったの?」


「………うん。でもウチまだ昼飯出来てなかったから、ご飯の匂いが漂うイノリの家にお邪魔してみた」


「飯くらい自分ん家で食え!!」


「………祭さんはいいよって言ってくれたよ」




カゼのお腹がキュルキュル鳴ると同時に、1階から祭ちゃんの声が聞こえた。




「美月ちゃーん、風ちゃーん、ご飯よ〜」


「………ほらね」


「ってか、俺は!?…まさか俺の分をカゼに食わす気じゃねぇだろうな!?」


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