幼なじみセンチメートル
その日の午後。



カンナとケンも不在の中、イノリも部活に行ってしまった為、カゼとカゼの家の縁側でのほほんとしていた。





「………キヨ、麦茶のおかわりいる?」

「うん、頂戴」




汗ばんだように水滴がつくグラスに麦茶を注いでくれるカゼ。



カゼはスイカを食べてはプププっと種を飛ばしている。





「………今日も暑いね」


「ねっ!もう夏だね」




チリリンと風鈴を鳴らす風は、生温くて暑い。





「…カゼはさ、結婚とか考えた事ある?」


「………ない」


「まだ高校生だもんね」




結婚なんてまだまだ未知の世界で


現実味なんて全くない。





だからこそ妄想や想像は出来るはずなのに


イノリとの結婚はそれすらさせてくれない…。





イノリとそうなる可能性がゼロだから、想像してしまったら虚しくなるだけ。
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