Hurly-Burly 【完】
サユはため息を吐きながらあたしの肩を叩く。
「予想はしてたよ、あんた断れないタイプ
だもんね。」
サユは冷めた目でプリントに目を通す。
「姉さん、このグループはちょっと・・」
女子が2人ってどうよ。
サユはあたしの隣をへばり着く、
ナル君を見てにっこり笑った。
そして、あたしの向かいに座る彼は・・
「ははっ、立花と一緒だ。」
これは何の罠だ!!
誰かがあたしを陥れようとしている。
あの悪魔しか考えられない。
そう、後一人ってのが・・・
「佐藤君、とりあえず逃げろ!!」
ナル君から逃げるのだ。
この子、今日少し獣化してる。
可愛い顔を崩してる。
いや、今日も可愛いけどオーラが
もう怒りに身を任せてるよ。
佐藤君はヘラヘラ笑ってる。
お前だよ!!
何、他人ごとだと思ってるんだ。
「ヒヨリ、やっぱり女子で固まる?」
それが良いよ!
このクラス女子が少ないの。
あたしとサユを含めても10人居ないよ。
サユ、あんたはそういう時回転が効く。
「それが・・・いいと」
「駄目ッ!!」
ナル君が許してくれないよね。
普通男子も少ないらしく、
どっかに必ずカラフルヘッドが居る。
何て恐ろしい集団なの!!
博物館もお断りだよ。
みんな深く帽子を被って行こう。
「ナル君はどこに行きたい?」
もう、諦めたさ。
このメンツで乗り切るっきゃない。
サユさえ居ればあたしは・・やってける。