Hurly-Burly 【完】

だけど、四方八方に囲まれれば距離を

取るどころの話ではなくなる。

「あの失礼ですが、ここはどういった

事務所なのでしょうか?

騒がしいとは思いませんか?」

7人に囲まれれば逃げる気も失せる。

「そうだねっ、ちょっとだけ我慢してれば

終わるから心配要らないよ。」

美少女一人にイケメン6人。

この比率は何という塩梅なんだろう?

寄ってたかってこの子を・・・

まさか・・でもそのまさかかもしれない。

「悪いことは言いません。

一緒に逃げましょう。」

そして、美少女の手を握ると

一目散に扉にダッシュした。

「えっ!?」

だけど、その美少女のえって声よりも

先に爆発でもしたのかってぐらいの罵声

が聞こえて体を部屋に引っ込めた。

「な、何てところに・・」

どっちに行っても地獄。

それなら、あの窓から飛び降りれば

何とか骨折ぐらいで手を打ってくれない

だろうか?

「ぎゃははっはは」

さっきから笑ってばかりヤツが居れば

もうこの人たち何なの?

「ごめんね、驚かしちゃって。」

そしてシュンとするこの子にキュンとした。

「いいえ、あのどうなってるのでしょうか?

あまり記憶がないのですが・・・」

あたし夢遊病だったのかな?

「あのね、今日プリント届けに来て

くれたのって君でしょう?」

はぁ?

プリント?

そんなもの届けに行っただろうか。

「ストーカーですか?」

そして、瞬時に疑いの眼差しを向けた。
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