Hurly-Burly 【完】

誰かに後ろを付けられてたなんて一生の

不覚だわ。

あれほど、気を付けなさいと言われて

いたばかりだったのに。

「ふふっ、その届け先って僕たちなんだよね。」

その驚愕の事実に本日二度目の失神をした。

こ、このヤンキーの居るイケメン集団が

ま、まさかの問題児!?

入学式早々に流血事件を起こしたとかいう

悪名で騒がれる集団?

「大丈夫?」

そして、ずっと美少女だと思ってたこの子が

男の子だとは思えない。

「あの、殴って下さい。」

どうか、夢であることを願います。

「えっ、そんなこと出来ないよ。」

いや、出来るだろう。

「じゃあ、いいです。

そこにあるバットを貸して頂きたい。」

壁に寄り掛かるように置いてある

バットを指さす。

「何する気?」

もちろん、力の限り自分の頭を叩く。

「脳みそが飛び出たら始末をお願い

します。」

バットを手に力の限り・・振る?

「駄目っ!!」

最近、予想にもないことが

起こりすぎてる。

「あの?」

男の子だと知ってしまうと

少なからずさっきまでの行動

が途端に違う気がした。

そんなに力の限り抱きしめられても

体が折れる気がする。

むしろ、折れて死んでしまう。

「何?」

それは殺意が含まれているのでしょうか?

それともリアルな力でしょうか?

顔に似合わない剛腕な美少年に

内心焦った。
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