Hurly-Burly 【完】

手に持ってたバットをボトリと落とした。

さっきまで女の子だと思ってた子がいきなり

男の子だと思い知らされた。

「い、痛いのですが?」

とても、体に圧迫感がある。

「あ、ごめんねっ」

別にそんなにシュンってしなくていい。

「いえ、焦ってしまってすみません。」

こんなこと初めてだからどうしていいもの

か分からない。

「焦ってるの?」

見た目はポーカーフェイスでも内心

大荒れ模様だよ。

「はい、分かりにくいと言われるもので」

ついには、笑い声まで途絶える。

「そうなの?」

昔から慣れっこだ。

「ええ、それでどうしてあたしは

ここに居るのですか?

帰っては行けませんか?」

果たして何時になってしまってるのか。

時計を見るのが恐ろしいとさえ思った。

「あのさ、委員長ってだけでプリント

届けに来てくれるもん?」

さっきまで口を閉ざしていた茶髪

のチャラチャラしたリトルグレチャー

な雰囲気を漂わす人。

「はぁー、普通ではありませんか?

頼まれたものですから、他に何の

理由が居るというのでしょうか?」

さっきから質問ばっかりだ。

「あははっ、見た目だけじゃないね。

委員長いい子じゃん。」

この人、人を見かけで判断する

人らしい。

「あの、帰らしては」

「あげないよ。」

不敵に笑うな!!

変な妄想させようとしてるのバレバレだ。
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