Hurly-Burly 【完】

あたしゃ、ビックリだよ。

現代っ子恐るべしだし。

そして、キューティーフェイスで

何か言おうとした時あたしの手に

ジュースを零しながら缶を落とした。

そして、あたしから急に離れて

駆けだしたのだ。

急なことにあたしは唖然と座りつくした。

「お母さーん、ごめんね」

そこにはとても優しそうな綺麗なお母さんと

やらが男の子を抱きとめていた。

「お母さんこそ、ごめんね。

目を放して寂しい思いさせちゃったね。」

あんなに綺麗なお母さんには勝てないよ。

確かに、あたしがお母さんは嫌だよね。

あのお母さんから急にこのちんちくりん

に降格だなんてね。

「いいんだ。お姉ちゃんと約束したの。

お母さんに会ったら一緒に謝って

くれるって言ったの。」

それに急いで立って頭を下げた。

「連れ回しちゃってごめんなさい。

余計なことしてしまったかもしれ

ないけど、この子ほっとけなくて。」

そう謝るあたしにお母さんは優しく

微笑んでお辞儀をした。

「ありがとうございます、この子の

傍にいてくれて本当に。」

どうやら、お母さんはタイミング悪く

あたしたちが去った後を追っていたらしい。

「いえ、あたしは小さな子とデート

出来て本当に楽しかったから。」

男の子がお母さんと手を繋いで

にこにこ笑ってる。

「でも、きっと心細かったはずだから。

あなたが一緒に居てくれてきっとこの子

も安心出来たと思うの。」

そうやって頭を下げられたからあたしは

自分のやったことに誇りを持てた。

やっぱり、その小さな手を掴んで

良かったよ。

< 168 / 419 >

この作品をシェア

pagetop