Hurly-Burly 【完】
ファーストコンタクト
入学式、校長先生の長い世間話から始まり、
新入生の挨拶で選ばれたあたしは体育館に
集まる新入生及び先生方、保護者に向かって
それなりの挨拶を述べた。
「桜も咲くこの良い日に・・・」
ある程度、理解はしていた。
家から近くて通うのが楽なところにしよう。
そんな考えがいけなかったんだろうか?
何故か、体育館に居る生徒はカラフルな
頭をした人がチラホラ居る。
気のせいってヤツなんだろうか?
入学式だっていうのに生徒が少ないのは。
名門中の名門進学率100%の学校を主席で
蹴飛ばして入ってみたのは家から歩いて20分の
このあからさますぎるぐらいの普通の学校。
普通なのかさえ疑わしい。
出来ることなら過去にタイムスリップしたい。
そして、あんな馬鹿なことをしなきゃ良かった
と後悔した学校選びを見直したい。
入学式早々にこんな非現実的なこと
があってたまるものか!!
入学式も副校長の言葉で締めくくられて
体育館を解散する生徒や保護者の後ろ姿
をボーっと見つめながら如何に自分が
とんでもないことをしたのか反省した。
保護者すら少ないし、周りに居る人たち
が異星人にしか見えない。
「ヒヨリー!!」
こんな凡人なあたしにも一人だけ心の
底から信頼している友人が居る。
「サユ、こっち。」
この脚長美人が幼少期からの唯一無二の
あたしの親友氷瀬紗友梨ことサユ。
「挨拶に選ばれるなんて大したもんだよ。」
サユのスタイルは昔からありえないぐらい
良かった。
美人で小学校の頃から男子に追いかけられてた。
唯一、この学校で良かったと言えるのは
制服と校則の緩さそしてサユとあたしの家から
近かったことぐらいだ。