Hurly-Burly 【完】
あの二日間の地獄を思い出すと腹が立つ。
あの人たちのせいでこんな苦痛味わって
今もみんなのためとか言って明日の準備を
手伝ってるとか怒り狂いたい。
大体、あの人たちが来るとは思えない。
停学が解けた今日だってすっからかんの
席が虚しく後ろに続いてるだけでそんなに
学校が嫌ならぜひとも自主退学をお勧めしたい。
世の中、学校に行きたくても行けない子とか
たくさん居るんだからそういう子のことを
思うとああいう人たちが通ってるという無情
なこの世界を逆恨みしたくなる。
人の気も知らないで・・・簡単に
あたしに近付いてくるあんな人たち
とはもう金輪際会いたくない。
「はぁー」
ため息も出し過ぎて底を付きそうだ。
こんなにも不幸続きだと頭がイカレるのも
早いかもしれないと思う。
「ため息は幸せが逃げるぞ。」
あなたは今日も素敵な爽やかスマイルで、
さぞ、ファンの人たちがこの笑みの虜に
なってるかと思うとゾッとした。
「佐藤君、後はやるから部活行ってきなよ。」
君が居ると正直やりにくい。
いつか、本心が出てきてしまいそうで。
ポーカーフェイスなんて崩れそうで、
今にもガラガラと均衡が崩れて行きそう。
「何か、気遣ってる?」
それでも彼はどうやらあたしの良心を
あっさり交わしてきた。
こうなったら、とことん付きあわせて
やった方がいいのかもしれない。
「部活、遅れますよ?」
サユがクスクス笑ってる。
こんな完璧なあたしの演技を見て
笑うなんて酷い姉さんだ。
どうしたって、その先に進めない。
そんなあたしの頑固な性格を彼女は
知り尽くしてるんだから笑いたくなる
のも分からなくない。