Hurly-Burly 【完】

水族館でワクワクだ。

朝からドキドキワクワクしながら、

バスに乗ったりしてやっとこさ辿り

着いた水族館が遥か遠くに見える。

「うわっー、サユ。

見えて来たよ!!」

興奮冷めやらないあたしはさっきから

この調子だ。

お馬鹿トリオにお子ちゃまだとか言われても

どうでもいいのだ。

「ヒヨリン、すごく楽しみにしてたの?」

ナル君が隣でルンルンしながら歩く。

「うんっ。」

水族館とか動物園とかは大好きだ。

動物を見てると癒される。

「日和はよくお父さんに連れて

行ってもらってたよね。」

そうなんだ。

父さんとはどうも本当に親子らしく、

価値観や好きなものが似てる。

動物も一緒だ。

父さんは、いつもほっとけなくなって

家に連れて帰って来ちゃうほどだ。

「父さんが好きだからね。」

肩車してよく連れてきてもらったさ。

あの人、何かと肩車したがる。

「元気にしてるの?」

サユは家の父さんがカッコイイとか

言うけど、どこがいいんだろうか?

マミーも家の母さんも家の父さんは

超絶なイケメンだと言い張る。

あの放浪亭主を持った母さん。

「さぁー、この間はサバンナで撮ったって

いうワニとの格闘の写真が送られてきた。」

元気というなら元気だろうよ。

あの人が風邪を引いたり病気になった

など聞いたことがない。

老後の衰退以外の死因は考えにくい。

サユのダディと一緒だ。

元気だけが取り柄だもの。

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