Hurly-Burly 【完】

血反吐を吐きそうになった。

「こんな時間から居るなんて今日は

空から槍が降ってきそうですね。」

にへっと作り笑いを浮かべるあたしに、

「そんな嫌味言わないでよ。

助けてあげた人にお礼でしょう?」

腰に手を添えたまま言うな。

「半径1m」

ジーと睨みつける。

「つうか、何でこんなもんお前が

持ってんだよ。」

お、お前だと!?

誰がどういう了承を取ってお前と

言われなければならぬ!!

明る過ぎる金髪ヤンキーが

散らばった個人データーを

ひょいっと拾い集める。

「触るな!拾うな!見るな!」

核三原則ならぬことを発するも

遅かった。

バッチリ個人データ見ちゃってる。

金髪ヤンキー最低だ。

人として駄目人間決定だ。

「そんな言葉遣い出来るのか?」

し、しまった。

失態を仕出かしたことに焦って

口を押える。

「にしても、アイツ何でそんなに

お前に扱き使うんだ?」

それは・・・ただ単に悪魔だからだ。

あのグレチャー性格最低な二重人格だからだ。

「返して下さい。」

フェロモン全開ワイシャツも全開な

伊織君を振り切って金髪ヤンキー

に勝負を挑む。

「真面目女子」

引っ掻き回していいだろうか?

誰か、この端正な顔ぐちゃぐちゃに

なるほど殴ってはくれないだろうか?

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