Hurly-Burly 【完】
言わないと言うよりは聞かれないことに何も
口出さないという姿勢を取ってきたであろう
みんなにいつもどこか甘えてた。
「頭が悪いわけじゃねぇーだろ?
俺らが何をやってるかぐらい薄々気づいてる。」
その通りである。
今になって本当に流血事件はあったのかと
気付かされる。
今もまだ生々しく残ってある流血事件の
爪痕は上級生への見せしめみたいなもので
あったと誰かが言ってた。
「あたしが何も言わないから?」
だって、どうすればいいか分からない。
不良と仲良くする委員長ってだけで、
特別その実態を掴んでるわけでも、
見たわけでもない。
「お前はどうしたい?」
珍しくちぃー君が真剣だ。
そう言われてもね、あたしは時間が限られてる。
「今までと何も変わらない方がいい。」
毎日、放課後にここでゲームしてたいよ。
よっちゃんのくだらないダジャレにお腹
抱えて笑いたいよ。
もっくんに肩車してもらって掲示板の
プリント張るの手伝ってもらいたい。
ももっちと校舎の中一緒に隠れて、
不良メンバーズと鬼ごっこしたい。
「おめーはズルいよな。」
伊織君があたしの頭に手を乗せる。
そういうこと言う伊織君がズルい。
あたしの思うことを考えてる。
どうしたらいいかなんて分からないよ。
帰ったらダディに相談しようとか
サユの方がいいのかもしれないとか
マコ君も頼りがいあるしとか考える
頭の中で何故か悲しくなった。
もしかしたら、あたしはここに居られなく
なっちゃうのだろうか?
もうここには来るなと言われてしまう
日が来るのかもしれない。