Hurly-Burly 【完】
そしたら、また元と同じ生活に戻れる。
気まぐれに付きまとわれたりしないで、
勉強だけに明け暮れるつまらない日常に
戻って笑ったりすることもなくひたすら、
鉄仮面を被るだけの日常に・・戻ったら
心はまた空っぽになるのかな?
廊下ですれ違っても席が隣同士でも
関係なくなる日が来る。
その時、あたしに残されたものは
何があるだろう?
サユは変わりなく傍に居てくれるだろうけど、
あたしはそれでいいのかな。
本当は知ろうが知るまいが笑っていたい
だけなのだ。
でも、何故か変わってしまう気がする
関係に拒絶を徹しているのはあたしの
方かもしれなかった。
「・・・ごめん。」
はっきりしないあたしはみんなを振り回して
いるだけかもしれない。
伊織君の言うとおりあたしはズルい。
自分のことしか考えられない。
この先のことを考えるにはまだまだ
浅はかな付き合いだ。
ただその後に残る沈黙を破ったのは、
オセロに買ったよっちゃんで歓喜を
あげるよっちゃんを見つめながらも
どこか他のことを考えていた。
帰りは珍しく伊織君だと思っていたはずが
ちぃー君だった。
ちぃー君はボケッとしながら歩いてる。
たまに石に転びそうになったり、電柱に
ぶつかりそうになったりと忙しい人だ。
工事中のマンホールに入りそうになった時は
さすがに止めた。
もう一人で帰れるか心配だよ。
あたしなんかを送るよりかこの人に誰か
着いてた方が良いのではないかと思いながら
1か月は過ぎる下校もちぃー君に送られたのは
初めてな気がした。