Hurly-Burly 【完】

こんな真面目と関わる不良なんてどこに

居るんだ。

「速攻、パス」

金髪ヤンキーの手元にあった数枚の

個人データが華麗に宙を舞う。

「よし、来た。」

天罰を与えて欲しい。

あたしが人類代表でこの2人に死刑に

値する大罪を現在進行形中で犯してくる

この野蛮人を速攻仕留めて欲しい。

階段を駆け上る彼らに着いていく

気が失せる。

そもそも、あたしに任せたグレチャー

に一番の責任がある。

あたしなんて運び屋みたいなもんだ。

「はぁー」

残りの個人データーを拾い集める。

あの野蛮人を追いかけることを

完全に諦めたあたしはゆっくりと

階段を上る。

さっさと終らしたい。

ため息がなくなることなんて

人間ないのかもしれないと病んだ

心に哀愁漂わせて窓から映る校庭を

見ながら桜が散ったことを知る。

そういえば、今年はお花見しなかったな。

毎年、サユの家族とわいわいやるけど

今年は都合が中々合わなかったんだよね。

マコ君も一緒にやるの楽しみにしてた

のに本当に残念な話だ。

トボトボと廊下を歩く。

教室に入る一歩手前まで、

後ろに気付くこともなく、

ただ哀愁漂わせて窓に映る

景色に没頭した。

そしたら、急に後ろから視界が

閉ざされていきなり誰かに抱え

こまれて何故か連れ去られてる。

一体、こんなあたしを連れ去って

何がしたいんだろうか?
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