Hurly-Burly 【完】
一体、何があるのかは知らない方がいいのかもしれない。
あたしが知る必要はないのだろう。
だから、敢えてみんな口を揃えて行くなと言う。
家の近くまで送られて帰った。
その日の夜はサユの家にお呼ばれされた。
マミーが作る餃子を頬張りながら、
マコ君に久しぶりに会った。
ゴールデンウェーク以来だと思う。
しかし、今日もなんだい。
そのイケメンっぷりはとツッコミたく
なるほどだ。
北地区15番通りで薬の運び屋捕まるの号外
が丁度テーブルの上に置いてあった。
言葉に出せないほどの焦燥感にかられた。
薬とかって何?
運び屋って仕事か?
とにかく真っ黒のその記事が危ないこと
であろうことは微かに分かった。
「あらっ、物騒ね。
ここは心配要らないけど、さーちゃん。
ひーちゃんも修平も行かないでよ。」
マミーが号外を見て声を上げる。
「しっかし、ここ最近また荒れたみたいだな。」
ダディの声など耳に届かなかった。
物騒な世の中。
この前の事件よりもこれは本当に危険な
話だってことは十分理解出来た。
「ここは、警察やBlack Nightが居るからな。」
マコ君は餃子を頬張りながらその号外を
チラッと見た。
北地区には警察は居ないってこと?
よく理解は出来なかった。
帰ってからはジョセフィーヌと一緒に
DVDの『宇宙の神秘』とかいう、
永遠と宇宙を説明するDVDを見てから、
お風呂に入って毎度ながらジョセフィーヌ
を横に眠った。
その日の夢はあまり覚えてない。
ただ、次の日の朝は珍しく遅刻ギリギリに
なりそうでサユに叩き起こされた。