Hurly-Burly 【完】
作りすぎたよね。
朝、仮眠を取ってキッチンを見ると考えすぎて
思いのほか作りすぎた。
「サユ家にだいぶ持って行っても余っちゃいそうだ。
ハッ、佐藤選手!!
奴に持っていけば減るではないか。」
制服に着替えて作ったお菓子を配りに
行くことにした。
サユ家では喜んで受け取ってくれた。
主に修平君が居たけど、サユはマコ君と
デートに行ったとかで居なかった。
学校に行くとグラウンドが騒がしかった。
でも、女子多いな。
そうだった、佐藤選手モテモテだった。
あたしなんかが応援に行かなくても
すごい人気じゃないのよさ。
しっかし、どうしたもんかな?
お菓子大量に抱えるあたしは可笑しな
人だったに違いない。
悪魔2号らに渡しに行っても余りそうだな。
佐藤選手には他の子がたくさんあげてる
みたいだからあたしが行ってもな。
校舎に一度入ってうーんと考えていた。
「ヒヨリンッ!!」
休みに学校来てるってある意味ビックリ
棚から牡丹餅だ。
「ナル君、おはよっ。
ん?違うな、おそよう。」
顔の前に袋が合って前が見えない。
「どうして、学校?」
ナル君がバタバタと近付いて来る音が
聞こえて立ち止まる。
「あ、佐藤選手におすそ分けしようかと・・」
でも、佐藤選手さすがにもう要らないだろう。
「何でっ、佐藤?」
ナル君、すごい勢いですよ。
ぐいっとあたしを壁に押しやったナル君
に内心お菓子が転がってかないか心配に
なったが、大丈夫そうだ。