Hurly-Burly 【完】

「それは嫌だな。」

相当好きでしょうがない様子だな。

「そんなに会いたいなら会ってくれば

いいではないですか?」

朝陽さんが珍しくスーツを着てると、

やっぱりこの人は自分のことが分かってる

ようで分かってない人だと思った。

「それが出来たら大和、お前より先に

会いに行ってると思わないか?」

正直、未依さんが選んだ男としては

確かにカッコイイ人だと思うが俺が

女であったら絶対に結婚しようとは

思わなかっただろうな。

「しかし、ジョセフィーヌのあのデカさ

はひーちゃんより大きいと思わない?

どうしよう、ひーちゃん潰されたり

してないかな?

寝込みに襲われなんかしたら俺ジョセフィーヌ

殺しちゃうよ。」

自分で拾ってきた犬に殺意芽生えるとか

この人のやることなすことありえない。

「それなら、この間は殴られたそうじゃない

ですか?永瀬さんから連絡は頂きましたけど、

どうしますか?日和様は全くその話を俺には

しませんでしたよ。」

そんなことになってるとは思ってもみなかった。

「俺はね、ひーちゃんが笑ってるところ

見るの好きなのよ。

あの笑顔は天使だと思わない?

マジで可愛くて犯罪級だと思わないか?

殴ったヤツは殺したいぐらいだけど、

今は動ける状態じゃないらしいじゃん?」

ここまで来ると犯罪級はあんただと

思うよとは口に出さなかった。

「そうですね、調べたところ肋骨も

腕も足も指も折れてるそうですよ。

全治半年っていうじゃないですか。」

「お前、どう思う?

アイツら、俺より怖いと思わない?

今度、こっそり会いに行こうとは思ってるけどね。

ひーちゃんにはもちろん内緒でよ。」

悪戯っ子のように笑う朝陽さん。

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