Hurly-Burly 【完】
ダディが居ると安心したけど、それはしょうがない。
「へーき、さーちゃんと修平君居るでしょ?」
でも、1人よりか何倍もいい。
雨はしとしとと降りつける。
何をしてても気付いたら窓の外を見つめて
怯えるよりかはずっといい。
いつから怖がるようになったんだろう?
覚えてないや。
気が付いたら怖かった。
その光も音もどうしようもないほどに。
何かとんでもないことをしたような
気がして胸が締め付けられるほどの
感覚に襲われる。
今時、そんなもので怖がる人は居ないとか
言うけど、あたしには十分過ぎるほどの威力
を持ってると思う。
この世で怖いものをランキング形式で発表する
としたら、3位はダディのキレ顔に始まり、
2位は幽霊にしておこう。肝試しはとかは平気だけど
幽霊に出会ったら確実失神すると思うからな。
そして、飛び抜けて一番怖いものは・・・
「日和、雷の日は決まって体調悪くなるよね?
無理しないでよ?気分悪くなったらすぐに言う
とかしなさいよ。あんた、無駄に無茶だけはするから。」
「・・・うん、気を付ける。」
雷というものがこの世から無くなればいい。
あたしのもっとも恐るべきものは雷。
ゴロゴロピッシャ-ンなお怒りモードの
雷がこの世でもっとも怖くてしょうがないもの。
「それでさ、この間ね・・・」
気が晴れることを知らない。
この梅雨の時期も嫌い。
ジトジトする雨は嫌なことがある前触れみたいで
胸がソワソワする。
「・・・うん」
心が弱くなる日が人間必ずある。
どんなに何でも出来る超人でも弱点の一つは
必ずあるもので正義のヒーローにもそういえば
あるような気がした。