Hurly-Burly 【完】

「ねぇよっ」

そんなあたしにココアの入ったマグコップを

差し出してくる悪魔らしからぬ行動をする

悪魔2号にさっきから調子が狂う。

「可愛げがないねぇー。

もう少し、女らしく泣いたり出来ないもんかね?」

そう言われてもこの雨のせいで捻くれちゃんだ。

涙のなの字もでないほどにね。

「・・・あたしが泣くわけないだろ。」

父さんに泣くなよって言われたらさすがに

泣かないように努力した。

「不良少女。

悲しいもんだねー。昔は可愛げあって天使の

ようだったのにねー。」

気持ち悪いこと言わないで。

誰が天使だって?

そんなもんこの世に居るわけない。

まぁ、ナル君は天使だ。

「出来た。」

保健便りを書き終えてテーブルに突っ伏す。

「さーちゃん来るよ?」

チャイムが鳴りだして4時間目も終わったのだろう。

「ご飯・・・要らない。」

あたしがとことん弱ってるところをみて

笑えばいいではないか。

「雨降ってるから中庭では食べられないだろ?

保健室開けるからここで大人しくしてなさい。」

こういう特権があるから保健医なんかやってる

んだろうか?

いい加減落ち着けばいいのに。

「・・・うん」

「こんな時ぐらい優しさを受け入れなさい。

素直になったら頭撫でてやるよ?」

それはいい。

全力で断る。

でも、・・・もう意地張るの疲れちゃったよ。

大人しくしてよう。

すぐに明日になっちゃうよ。

それで、少しはスッキリするよね?

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