Hurly-Burly 【完】


***


said:慶詩



そういや、今日はチビの席が空席だ。

いつもはそこに必ず座ってるはずなのに、

居ないとは違和感しか感じないな。

「サユリンー、ヒヨリンは?

風邪でも引いちゃったの?

お見舞いに行かないとっ!!」

今日は寝不足で昼前に来た。

のに関わらず、雨が続くな。

最近は傘持たないと困るな。

「日和なら保健室で捻くれてるわよ。」

チビの隣の席でせっせと教科書とノート

をしまいながらため息を吐くチビのダチ。

「えっ?やっぱり具合悪いの!!

風邪引きやすい時期だもんな。

何か、食いたいものとかあるのかな?」

ナルは相変わらず変な趣味をしてる。

チビなんかのどこがいいんだか。

「あのさ、少し話あるんだけど。」

そのダチにしては珍しかった。

チビを大事にしてるのが十分分かる

ほどで何でも知ってるような気さえ

したその女は浮かない顔をしていた。

「なっ、何!?」

ナルは食いつきが早いヤツだ。

「ちょっと、顔貸しなさいよ。」

チビのダチなだけあって怖いもの知らず

の女だなと思った。

ああ、そういや横山の女だったな。

そりゃ、気が強いわけだ。

アイツも尻に引かれるようには見えねぇ

けど、大変だなー。

結局、その女に人気のないところまで

7人引っ張られた。

どんだけ、怖いもの知らずの女だよと

思いながらも額に汗が見えてこいつも

俺たちがどんなヤツかは知ってるわけだと

思った。
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