Hurly-Burly 【完】

キョロキョロ周りを見渡す女の不自然な行動に

俺たちは押し黙ってた。

「あの馬鹿来なきゃいいけど、日和が最近調子

悪いのは知ってるでしょ?」

何かを気にしてる目の前の女は挙動不審だった。

「うん、何かいつも以上にポーカーフェイス

続きだよね。昨日もよっちゃんのジョーク

フルシカトだったし・・・何かあったの?」

ナルが首を横に傾げる。

「雨が嫌いだとは聞いてたけど、それと何か

関係でもあるのかな?」

馨がそんなこと聞いてるとは。

「日和、この時期は調子悪くなるの。

雨が駄目になったのはいつからだろう?

最初はそうでもなかったはずなんだけど、

ある時から急にだった気もしなくはない。

あたし前に言ったと思うけど、あの子のこと

意外と何も知らないのよ。」

女が拳を握る。

「・・・素直じゃないの。

保健室送りにしたのもあたしよ。

あの子、自分にさえ厳しいんだもの。

多分、自分の口からは言わないわ。

日和から直接聞いたことはないけど、

日和雷が怖いみたい。」

「まぁ、そうだね。

さーちゃん、情報提供しちゃって

良かったのかな?」

女の後ろからぬるっと登場する相沢。

「あんたねっ、日和苛めるのも大概に

しなさいよ。八倒してやるわよ。」

ホントにやりそうだなおいっ。

「苛めてるんじゃないよ。

アイツが素直に言わないのが気に食わないだけ。

言ってやったら俺はアイツのこと甘やかしてやる

のによう。俺、アイツには優しいけどね?」

「イラっとするのよっ!!」

女が相沢に掴みかかる。

「さーちゃん、俺がひーちゃんを特別扱いする

ことに何でそんなキレるんだよ?」

増々、ヒートアップする女に馨が止めに入る。
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