Hurly-Burly 【完】

「それはあんたのエゴにしか見えないからよ。」

気が強い女だなと思いながらも相沢が一瞬目を

見開いた気がした。

「さ、サユリン?」

ナルがビックリしてる。

そりゃ、そうだよな。

勝手に口論し始めるんだもんな。

「俺のエゴね。

まぁ、確かにそうだな。」

相沢にしては返しが甘かった。

「でもね、さーちゃん。

そいつも必死なんだよ。

エゴだろうが何だろうが。」

村田が現れて女が食い下がる。

「日和は?」

「寝てるんじゃないの?

さっきまでは文句言いながら

俺の仕事手伝ってくれたし、

それにしても調子の狂ったひーちゃんの

面倒はキツイものがあるよ。

いつも以上に返しが甘いな。」

脱力する女に村田が頭を撫でる。

「やめなさいよっ!!

あんたねっ、変に疑われるんだからね。

あたしと日和に必要以上に絡まないで。

干渉するなって言ってるじゃない。

全く、朔夜さんに言いつける。

日和に変なことしたら即刻ね。」

「それはマジで勘弁して。」

村田はすぐに手を放す。

「さーちゃん、怖いっ」

「アイツ飛んで帰ってきそう・・」

何かに怯えるほどの弱味をこの女は

持ってるみたいだな。

「あのさ、俺たち何のために呼び出されたの?」

ユウヤが空気を一気に変えた。

「もし、万が一。

日和が雷に怯えてくる素振りを見せたら

気がまぎれること言ってやれ。」

相沢が窓に視線を移す。


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