Hurly-Burly 【完】

馨君がにっこり笑う、

「何か顔色良くなった?」

そういえば、よっちゃんの話が!!

馨君知ってたのかな?

「ヒヨリン、知ってたか!!

このおっさんヅラだってよ。」

ケラケラテレビのニュースで、

ハゲが発覚したアイドルに指さすよっちゃん。

じ、自分も悩んでるのによっちゃんって奴は

なんて演技上手なんだ!!

「あたしはヅラで悩んでる人たちに優しく

しようと思うんだ。」

馨君は首を傾げる。

今まではそんなヅラを被る人の気持ちを理解

出来ずにいたけど・・・これが世の中の真実

ってやつよね。

「ん?はっ、はっ、ヅラの被るヤツの気が

分かんねぇー。」

お、お前!!

何てこと言ってんだ。

ももっち!!

目の前によっちゃんが・・・よっちゃんが!!

「確かにっ。」

よっちゃん、笑っちゃった!?

あんた、ヅラ被ってるんじゃないの?

「よっちゃんはヅラじゃないの?」

「はっ、やめろよ~。

俺は地毛だってぇーの。

ヅラなんて死んでも被るつもりねぇよ。

それだったら、スキンヘッドの方がまだ

カッコイイじゃねぇか!!」

ギロっと3人を見ると知らん顔してる。

「ちょっ、純情なあたしの心を

弄んだなっ!!」

くっ、騙された。

すごい信じちゃった。

よっちゃんの誕生日プレゼントは

特注のヅラをプレゼントしようと

思ったのに。

ちぃー君、こっそり影で笑わないでよ!!
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