Hurly-Burly 【完】

水溜りに足突っ込んじゃったよ!!

あの子、まだ寝ぼけてるの?

ねぇ、本当にあんた大丈夫なのか心配だ。

医者に連れてくべきかもしれない。

「お前、こっち歩け。」

車道側をさりがなく歩くちぃー君。

それで、ずっと水溜りに足を突っ込んで

くれてたのか。

分かりにく男だな。

でも、その優しさにきゅんってなって

しまったのは何故だ?

弱ってる時だからかな。

ちぃー君のこと好きじゃないしね。

まさか、吊り橋効果ってヤツ?

これがそうなのか!!

「ちぃー君、風邪引いちゃうよ?」

足、汚くなってるよ?

「気にするな。」

な、何か、話題・・・

家の電柱まで来るのが意外と早かった。

結局、話題は丸蔵しかなくて今日は

何してるのかなって喋ってたら着いちゃった。

「じゃ・・あね。」

ちぃー君は何か言いたそうにあたしを見る。

「何?」

いつも、ちぃー君の不可解さに驚くけど、

立ち止まるちぃー君を心底心配した。

その時だった。

ゴロゴロピッシャーン。

気が可笑しくなるぐらい大きな雷が

落ちたと思う。

傘を落としてしゃがみ込んだ。

震える体で全身を抱きしめる。

ピカって光った。

真っ暗な道に・・・・

頭が痛くなる。

「日和」

何も聞こえない。

何も見たくない。

誰か・・父さん!!

助けて・・・怖いよっ
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