Hurly-Burly 【完】

震えが止まらない。

「日和、俺だ。

しっかりしろ。お前、震えが・・寒いのか?」

こんな時に何の冗談言ってんのよって

言えるわけもなく。

「・・・・ッ」

「どうした?言ってみろ。

言わなきゃどうしようもないだろ?」

ねぇ、ちぃー君。

あたし頑張ったよね。

今日すごい我慢出来たよ。

父さんも知ったらビックリするんじゃないかな。

だけどね、やっぱり雷怖いよっ。

「・・・・ちぃー君」

こんなこと言って嫌わないでね。

「ん?」

これっきりだから。

「・・・怖いよっ」

だから、お願い。

傍に居て。

今日だけでいい。

「それで?」

「・・・手を握ってて。」

ちぃー君の手があたしの頭に触れた。

「・・・お願いっ」

ちぃー君を見つめると、

「分かった。」

ぎゅっと両手をあたしよりも大きな手で

包んでくれた。

「・・・・ッちぃー君。

あたしね、雷が怖いの。」

こんなこと言って笑われるかもしんない。

子どもだなって思われてもしょうがない。

「どうしてぇ?」

別に笑ってくれてもいい。

ちぃー君、だからお願い。

あたしを一人にしないで。

「・・・ちぃー君に手を握ってて欲しい。」

それだけでいいから、雷が鳴りやむまで

の間で十分だから。

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