Hurly-Burly 【完】

何故だ。

鼻水に涙に雨によく分からないがビショビショ。

さっきからちぃー君に手を握られて歩いてる。

どこに行く気だよと思いながらもちぃー君

に握られた手は温かくて安心出来た。

頭を撫でられた時は一瞬父さんかと思うぐらい

優しく撫でられた。

ちぃー君も傘を落としてあたしに呼びかけてた

から2人揃ってビショビショだ。

今はちぃー君の傘に2人で入ってるから

狭い気もしなくはない。

「ちぃー君、どこ行くの?」

鼻水を垂らしながら歩くあたしは滑稽だと思う。

「ん、適当だ。」

アホか!!

こんな時にほっつき歩くヤツいるか!!

「えええええっー!!」

風邪引いたらどうしてくれんの?

「じゃあ、今決める。」

早く決めてくれよ。

どうして、ウロウロしてたんだよ。

「ちぃー君、起きてる?」

もう心配ですよ。

「起きてる。」

あたし、ハラハラする。

こういう時は俺について来いってどっか

連れてってくれるんじゃないの?

「マンション行くか。

お前、風邪引きそうだもんな。」

あんたを心配してるからっ!!

ひょろっとしてるし、脳もぱっぱらぱー

って感じなあんたが風邪引いたら大変だ。

「ちぃー君、マンションまでの道のり

知ってるの?」

ウロウロしてるけど大丈夫かな?

「知ってる」

ズボズボ水溜りに入りまくりだな。

おまけにあたしも入っちゃうみたいな!!

笑えないよ。

ここに笑い要らないよ!!


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