Hurly-Burly 【完】

結局、無言の圧力で自動扉が開いた。

すごいぞ、ちぃー君!!

あたしは、君の圧力にビビったがな。

そして、警備会社の人はちょっと考え直した

方がいいと思う。

セキュリティーは大事だよ!!

「うひゃっ」

ちぃー君、グイグイ行きますな。

エレベーターに入るとどことなく緊張感が

漂ってきて内心心臓バクバクだった。

ちぃ君は水も滴るいい男を本領発揮しちゃうし、

ワイシャツから透けて見えちゃうのよ!!

この人、意外と筋肉あった。

ひょろいと思ってたけど、全然筋肉ある。

オレンジブラウンの髪を掻き分けて、

足の泥をぺっぺっって払いのけてる。

ぎゃっー!!

こんなの鼻血を通り越して失神レベルよ。

全国のイケメン大好き少女の皆さん、

あたしは今超絶イケメンを目の前に

手を握られたままご一緒してます。

目のやり場が困るのが現実です!!

「お前、頭大丈夫か?」

いや、あんたに言われたかないよ!!

ドスドスエレベーターの壁に頭突きを

食らわすあたしにちぃ君の白い目。

「イエス、ワタシセイジョウ」

だって、頭突きしてないと変なこと

考えちゃいそうだったし。

「ぷっちゅん」

さっきからくしゃみが止まらない。

あたしのくしゃみにビクッとする

ちぃ君との2人の時間はとてもとても

苦い思い出になったと思う。

結局、エレベーターが着いても

まだグダグダとしているあたしを

この時ばかりはちぃ君も早く着替えたかった

のか急ぎ足だった。

グイグイ引っ張るからすっ転びそうになった。

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