Hurly-Burly 【完】

部屋の前に着いてしまった。

もう、ソワソワしちゃう。

ピンポーンとチャイムを鳴らすちぃ君の手

はまだ繋がったままでドキドキレベルパワー

上昇中で顔が火照る。

「やっ、やっ、やっぱり帰るよ!!」

そんなあたしにちぃ君はニヤリと笑って、

手を放そうとした。

ゴロゴロピッシャーン。

「ひっ」

つい、ちぃ君の背中にしがみつく。

「うわっ、ちぃー。

鞄忘れ・・・・・・・・・・・

カオルッー!!大変だ、ちぃーが

びしょ濡れだ、タオルってヒヨリン!!」

ちぃ君の背中にしがみつくあたしを

目を丸くナル君に見られた。

ドタバタ音が聞こえると思ったら、

「どうするか?」

ちぃ君、隠れドSだったの?

ねぇ、それ・・ビックリしちゃうじゃないの!!

「えっ、日和ちゃん!!」

馨君がビックリした顔でちぃ君にタオル

を差し出すとちぃ君があたしの頭をわしゃわしゃ

タオルで拭きだした。

「や、やぁ!」

「タオル足りない・・・」

ちぃ君の背中から顔を出すと馨君とナル君

が本当にビックリしてたけど快く迎え入れて

くれたのでとても嬉しかった。

ちぃ君に半ば引きずられながら部屋に

入れられてからはもう嵐のようだった。

「おめー、土壇場で言ったのかよ?」

金髪ライオンがキッチンで野菜を切ってた。

「土壇場?」

よく分かんないけど、みんなあたしが雷

怖いの知ってたの?

だ、だから、よっちゃんのあれって・・

まさか気を紛らわせるために?

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