Hurly-Burly 【完】

ちぃ君の声にギョッとしながら、

ドアを開けるとちぃ君があたしを見て

フッと笑った。

「お前、やっぱ小せぇな」

ナル君の服が大きいの間違いでは?

スウェットのズボンはダボダボで引っ張られたら

脱げちゃうと思う。

いや、引っ張らなくても脱げちゃう。

気を張ってないとイカンね。

紐を極限まで縛ったがね。

Tシャツはまぁまぁだ。

男物恐るべし!!

「ちぃー君、急いでお風呂入った方がいいよ。

風邪引いたら大変だ!!

あたし、看病に来るからねっ。

もし、熱とか出たら言ってね!!」

申し訳なくてしょうがないよ。

「・・・・・・・・・・」

ちぃ君にお風呂場を譲って廊下を

歩いてたら金髪オールバックの兄ちゃんが

玄関から入ってきてビビられた。

「あの、お邪魔してます。」

そりゃ、人様のお家にお邪魔しているからね。

「いや、マジでビックリした。

この間の子だよね、確か名前は・・ひよっ

日和ちゃん!!」

どうも、覚えててくれて助かります。

「あ、はいっ。えっと・・・」

貴方の名前出てませんでしたね。

「俺は、ターヤンでいいよ。

谷山ってのが名字でね。」

何か、すげーわ。

「ターヤンさんですか。

このたびは、お世話になっております。」

ターヤンさんはどうやらみんなの監督者らしい。

よく分かんないが、この家の住人なんだとか。

「俺は、やっちゃんでいいよ。」

後ろのトイレからサングラスを掛けた

イカツイ兄ちゃんが出てビックリした。

「俺も、アイツらの監督者でここの住人。

よろしくね、日和ちゃん。」

実にやっちゃんさんはすごく優しい人だった。

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