Hurly-Burly 【完】

通り過ぎてしまえばこんな失態を犯さなかった。

「よう、仕事終わった?」

ニヤニヤ口元を緩める悪魔1号とその隣で

へらりと笑う悪魔2号。

サユも額を押さえて苦渋の表情。

「終りました、花壇は時間がなくて

出来なかったので放課後に手入れします。」

淡々と業務内容を伝える。

他の先生も居るって言うのに、

悪魔は今日も健在だった。

「それで、どういうことだ?

何でお前があの天下の不良と

仲良くガーデニングしてたんだ?」

それを聞こうとしないで欲しい。

あたしだって成り行きでまさか

だったのだから。

それにあれはガーデニングなんてもん

じゃなかったよ。

「俺も気になったー。」

棒読みだこの野郎と思いながら

悪魔2号を睨みつける。

「別にただの気まぐれです。」

あたしに何てその内興味が

薄れていくに決まってる。

「へぇ~」

だって、出会って間もない。

ただの好奇心ぐらい持って

寄りつかれただけでどうせ

後は逃げていくだけだ。

「ひーちゃんは相変わらず

可愛くないな。」

悪魔1号の眼光があたしを刺すように

見られて後退した。

いきなり、この人本性表し過ぎだ。

ひーちゃんって言うなんて知り合い

だと思われるではないか。

それだけは勘弁して欲しい。

ありえないぐらい優しい笑みを浮かべる。

この人にそんな笑みを向けられるなんて

今日はやっぱり槍が降ってくるに違いない。
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