Hurly-Burly 【完】
いきなり声を出したあたしに藍ちゃんはビックリ
して目を丸くする。
「これが意外といいストレス解消法でして。」
ジョセフィーヌが心なしか笑ってる。
いつもするからね。
溜まる前に吐き出すのがいい。
「・・ふふっ」
上品に笑う藍ちゃんはやっぱり笑うとあどけない。
可愛さが笑みから零れる。
後から聞くと藍ちゃんはあたしと同じ高校1年生で
15歳だというではないか。
親近感を感じることこの上なかった。
その日はそれで藍ちゃんとバイバイした。
セーラー服の似合う彼女はあたしよりも
少し背が高くサユよりは小さい気もした。
あたしはその日ジョセフィーヌと一緒に
永遠と走る運命はちっとも変らなかった。
息切れしてもジョセフィーヌは走り続けた。
もういい加減にしろしと睨んでも気付くこと
なくはしゃいでた。
それは、あたしが他人と関わることへの喜び
だったのか雨が最近続いたからなのか定かで
はないけど、ここ最近のあたしはどうも可笑しい。
他人に興味を湧くようになったのはいつからだ?
全く、興味なかったはずなのにな。
自分のことすらよく分からなくなりそうだから、
自分のことしか頭になかったけど最近は風向き
が変わって来たのかもしれない。
そろそろ、初夏がやってくる。
梅雨が始まったと思えば長い雨の日が続き、
ジメジメと熱さは広がって行くばかり。
この間の大和さんからの話に出てきた、
お茶会が7月に開かれる。
あたしは欠席に丸を付け出席を二重線で
引き、ハガキを送ることにした。
やっぱり、着物を着て催しものに出るのは
さすがに気が引ける。
そういうのが似合うのはやっぱりサユだろうな。
あの子は無駄に美人だから着物も似合うだろうし、
まぁすぐに暴力で片付けようとするガサツさが
なければ大和撫子って言葉が似合うと思う。