Hurly-Burly 【完】
彼女は先生たちから不良をまとめてると
もっと信頼を得たらしい。
彼女自身そんなつもりないと思う。
そんな見返りがあって遊んでくれてる
わけじゃないと思ってる。
そして、彼女は肝心なところ無頓着だ。
どこか抜けてるというのだろうか?
まぁ、妄想してる時点で可笑しな子だと
は思ってたけど、たまにとんでもない発言
をしてくるたびハラハラする。
この前はナル君が告白らしからぬことを
言ったにも関わらず完全に勘違いして
みんな好きとか言ってた。
友情的な意味だろうけど、彼女は恋の
この字も見当たらないぐらいそういうのが
疎いらしい。
俺たちはそういうふうに見たことはない。
これは断言出来る。
みんな彼女のことは友達として好きだ。
こんなむさ苦しい男だらけの中でも遊び仲間
で居てくれる彼女を良いヤツだと思わない方が可笑しい。
それでも、鈍感というか。
彼女は分かってない。
俺たちには散々な言われようだが、特別不細工
ではなく、むしろ可愛いということを理解してない。
「あのね、サユ。
あたし実はね昔ねチョコレートはカレールー
だとばかり思ってたの!!」
今日も元気よくサユリちゃんと仲良く
話す彼女を見つけて声を掛けようかと
思ったら会話が面白くて聞き入ってしまった。
「何よ、それ。
前にもそんなこと言ってなかった?」
サユリちゃんは彼女とすごく仲がいい。
彼女が言うには空気のようにないと
駄目な人らしい。
「うん、だからね、ホワイトチョコレートは
シチューでさ!!たまにレアでイチゴの板
チョコとか売ってなかった?それがもう何なのか
分からなくて父さんと真剣に考えたことあったって
言ったっけ?」
彼女らしいなと思いながら笑った。