Hurly-Burly 【完】

男たちは面白そうに笑ってる。

「マジで、上玉じゃん。」

「俺たちと遊べてラッキーよ」

次々と言いたい放題だ。

そんな感じだからだろうか、

サユリちゃんはとても怖かった。

明らかにガン飛ばしてた。

彼女も怖いもの知らずだが、

彼女の友達のサユリちゃんも怖いもの

知らずってヤツなのかもしれない。

「日和、あんた下がってな。」

何を仕出かす気なのかサユリちゃんは

彼女を後ろに庇うも、男の手に引っ張られて

彼女はふらつきながらバランスを崩して

転んでしまった。

すごく痛そうだった。

叩きつけられたと言っても過言じゃなかった。

「何だよ、美人だと思ってたのによー。

そんな顔してると男寄らないよ?」

どうやら、彼女というよりはサユリ

ちゃんメインのナンパだったみたいだ。

現に彼女は地面に放置されたままだった。

サユリちゃんが眉間にしわを寄せながら、

男の胸ぐらを掴んだ。

冷や冷やするというかもう出た方がいいな。

この場合、俺に責任が問われる。

「あんた、何様よ!!

日和を地面に叩きつけといて、

謝りもしないなんて最低なクズね。

謝んなさいよ。」

サユリちゃんの怖さは彼女から聞かされて

いたけど、すごい迫力だった。

男たちも怯んだのかビビってる。

そこからはすごかった。

俺が入ろうとした隙にサユリちゃんが

飛び蹴りしたのを見て俺は見てはいけない

ものを見たのかもしれないと一瞬自分を疑った。

彼女は始終オロオロしながら、サユリちゃんを

止めるのに必死だった。

だから、俺が飛び出して他の数人を殴っておいた。

サユリちゃんは怒りが収まらないのか男の顔面

を蹴りまくってた。

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